コロナ禍の真っ只中、私が働いている会社では時差通勤を行っていました。任意で時差通勤を選べる時期はよかったのですが、強制で労働時間が決まる時期は辛いものでした……。そこで、当時の時差通勤の仕組みと感じたことを書いてみます。
1. 時差通勤が始まった理由
2020年初頭、新型コロナの感染拡大を受け、その数か月後に会社で時差通勤が始まりました。時差通勤を行うことで、勤務者間で接触する時間が減り、コロナの感染拡大が防げるとの考えからでした。
当時、私は工場に勤務していましたが、工場の勤務時間は決まっていました。例えば、常昼勤務者は朝の9時から、というように開始時刻が決まっていて、勤務時間に選択肢はありませんでした。
2. 時差通勤の種類
コロナ禍で行われた時差通勤には2つの方式がありました。
(1) 選択型
自分の意思で通勤時間を選択できます。選べる開始時刻は8:00から、9:00から10:00からなど4種類で、従来通り、9時から出社することもできます。自分の生活スタイルによって開始時刻を早めたり遅くしたりできます。通勤時刻は前月の時点で決定し、上司に通知します。月単位で通勤時刻を変えることもできます。
(2) 強制型
新型コロナの感染対策のため、意図的に行われた制度で、通勤時間が強制されます。組合員は7:00からの組と11:00からの組があり、おおむね半々に分かれました。一方、9:00出社の組合員は原則としておらず、管理職のみが9:00出社という仕組みでした。組合の了承を得た上で実施されていました。
上記のうち、(2)の強制型は緊急事態宣言が出たときなど新型コロナが流行していた時期に行われましたが、数か月で終わりました。その後は(1)の選択制が続きました。
3. 時差通勤の感想
(1) 選択型
選択型は続けてほしいと感じるような、いい制度でした。自分の好みで早い時間でも遅い時間でも選べたからです。これまで通りがよければ9時出勤を希望することもできます。
月によって変えられるのも便利です。ある一か月で合わなければ、次の一か月は元の通勤時間に戻すこともできます。
私は当初遅い出社時間を希望していましたが、最終的には早い時間の勤務に変えました。その方が終盤に疲れずに仕事を終えることができるためです。
(2) 強制型
強制型は7時か11時かの二択ではあったものの、その時期のライフサイクルは正直苦労しました。早い方も遅い方も極端な出勤時間であり、間がなかったからです。
私は11時出社を選びましたが、これまでより2時間遅い生活は案外楽ではありませんでした。朝はゆっくりでいいのですが、夜は帰りが遅くなるため、夕食も遅くなってしまいます。勤務時間は変わらないため、寝る時間だけが遅くなります。結果として、時間的な余裕は変わりません。それなら、普段9時出勤の方がましだと思いました。
4. 時差通勤の長所と短所
ここで時差通勤の長所と短所を挙げてみます。ここでは、期間が長かった2. (1)選択型を中心に評価してみます。
(1) 長所
①自分の生活リズムに合わせられる
時差通勤は自分の生活スタイルに合わせて通勤時間が変えられるので便利です。例えば、朝が苦手な人は遅い勤務時間にすれば、無理して早起きする必要がなくなります。逆に、毎日早起きしている人は早めに来て仕事をすれば、作業がはかどります。
②無意味な早出や居残りが少なくなった
これは私に限らず、各社員に言えることですが、意味のない早出や居残りが明らかに減りました。理由として考えられるのは、勤務時間の差が付いたことで、社員が始業時刻・就業時刻を意識するようになったということでしょう。時差通勤を行う前は帰宅時間が17:30となっていましたが、全員同じなので、だらだらと帰らない人が結構いました。時差通勤になってからは17:30に終わる人もいれば16:30や18:30に終わる人もいます。この人たちとは帰宅時間がずれますし、早出なら早く帰ろうという意識が働き、釣られて他の勤務時間帯の社員も早く帰るようになったようです。
③通勤の混雑が緩和
感覚として、朝夕の通勤ラッシュが多少緩和されたと思います。私の工場は地方都市にあるため、多くの人が車で来ます。時差通勤により各社員の勤務時間がずれたことで、渋滞がある程度解消されました。個人的にも9時以外の時間に勤務していたため、信号で待たされる時間も減りました。
(2) 短所
①目の届かない時間に作業をする人がいる
時差通勤で気になったのが目の届かない時間に作業する人が増えたことです。先輩社員であればあまり気にならないのですが、私の場合、配下がいたので気になりました。つまり、配下と合わない時間の配下の働きぶりが分からないという問題です。この場合、週報などで進捗報告をさせるなど、仕事ぶりを把握する工夫が必要です。
②会議の設定が面倒
時差通勤の間、面倒だったのが会議時間の設定です。1時間程度で終わる会議なら問題ないのですが、半日あるいは一日がかりの行事の場合、他の社員の通勤時間を配慮する必要が生じました。基本的に誰もが勤務している時間帯を狙いつつ、半日や一日がかりの行事は時間短縮するようにしていました。
③一体感が減る
会社での一体感も何となく減ったような気がします。今までなら一斉に仕事を始め、一斉に終わった(実際は残業の有無でずれるのですが)ので、その意味で「みんな一緒」という感覚が強かったです。それが、開始時刻がずれることで、「人それぞれ生活リズムはずれている」、「考え方は人それぞれ」ということがこれまでよりも明確になったと感じます。
5. まとめ
コロナの感染拡大防止のため、時差通勤が始まった。時期により選択型、強制型と異なる制度で運用されていたが、選択型の方が自分の好みで勤務時間が選べて良い制度だと感じた。時差通勤には自分の生活リズムに合わせられるメリットがあったが、反対に一体感が減る、というデメリットもあった。
皆さんはコロナ禍の頃はどのように通勤していましたか?よかったらコメントください。お読みいただきありがとうございました!