最近、少子化や非婚化が話題になっています。ヤフーニュースなどで話題になっていて面白いので私も何か書いてみます。実は、本を読んでみると、少子化に不思議はないことが分かります。今日は一例としてFACTFULLNESSという本を紹介します。

1. 少子化が話題!
最近、わが国では少子化が話題です。私の場合、Yahooニュースでよく少子化のニュースを見ます。ある時期には毎日のように少子化の原因や日本の対策は適切ではない、といった話題が流れてきました。
少子化が話題になる背景には、すでに日本が人口減少社会に突入していることや、合計特殊出生率が下がり続けていることが関係しているのでしょう。最近でも合計特殊出生率は過去最低を更新しており、学校に進学する子供の数も確実に減っています。これらを受け、実感をもって少子化を受け止める人が増えたということでしょうか。
個人的には少子化は今さらの話題、という気もします。私が中学生の頃、つまり今から30年ほど前の時点でも少子化は話題になっていました。例えば、中学校の教科書に「少子化」という言葉が載っていて、用語の解説が示されていたはずです。少子化そのものは長きにわたり続いているのですね。
2. FACTFULLNESSで分かる少子化の真実
FACTFULLNESSという本があります。この本を読むと少子化が進む理由が分かります。
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド FACTFULNESS 日経BP社 2019
本書では世の中を理解するのに、所得レベルを元に4段階で分けることを推奨しています(p44)。それまで、世界では「先進国」、「発展途上国」のように2段階で国を理解する仕組みが利用されてきましたが、4段階の方がより細かく理解できるというわけです。
本書は少子化に限らず、事実に基づいて世の中を正しく理解しようと試みています。その中で人口問題にも触れられています(p98~)。ちなみに本書では少子化を問題にしているわけではなく、むしろ人口がこのまま増えすぎるのではないかという懸念に対し、今後は頭打ちになることを様々なデータから示してくれています。
本書によると少子化が進む理由は次のようになります。
(1) 避妊の技術(p116)
第一に避妊の技術が発達することです。避妊の道具が手に入れば、望まない妊娠を避けることができ、少子化傾向となる。
(2) 教育(p116)
第二に性教育が行われることである。女性は正しい知識を身に付けることで、不要な妊娠を避けることができる。
(3) 所得(p226)
第三に、所得が増えることである。低所得の世帯では働かせるために子供を多く生む。つまり、いわゆる児童労働をさせることで、家計を支えてもらおうとするのである。所得が高い世帯では子供を働かせる必要がなくなり、子供の数も少なくなる。
3. 今の日本に当てはめると
本書の考え方を今の日本に当てはめてみましょう。
まず、日本は所得レベルで考えれば文句なしのレベル4、つまり最も所得レベルが高い国となります。日本はかつて世界第二位の経済大国でしたし、今では順位を落としていますが、経済大国であることに変わりはありません。
次に、前項の少子化の理由が当てはまるかを今の日本で考えてみます。すると、(1)~(3)すべてが日本に当てはまります。日本では高い避妊の技術を持っていますし、性教育も行われています。所得も十分に高いです。結果として、日本で少子化が進むのは自然なことだといえます。
一方、FACTFULLNESSの考えが必ずしも当てはまらないのではないか、と思うこともあります。それは日本にも貧困層が現れ、子育てが難しくなっている世帯が存在していることです。FACTFULLNESSによる「貧困ほど子だくさんになる」という説明と矛盾しそうです。これは先進国の中で起こる新しい現象と言えるかもしれず、注意しておく必要がありそうです。
4. 真に問うべきこと
さて、少子化が先進国では当たり前となると僕らは何を問題視すべきなんでしょうか?
私は「少子化が起こるのはなぜか」は問うべき問題ではないと考えます。FACTFULLNESSで説明されている通りなので、特に意外性はないからです。実際、他の先進国でも少子化は進んでいるわけで、日本だけが抱えている問題でもありません。
むしろ、私が問うべきだと思っている問題は「他の先進国に比べ、日本で少子化が進んでいるのはなぜか」です。実際、2025年の日本の合計特殊出生率は1.14で、他の先進国と比べても低めの値です。この値が低いほど少子化が進んでいると言えますが、他の先進国に比べてなぜ低いかはよく考察しておくべきだと感じます。この差の理由が分かれば、日本で有効な少子化対策が見つかるかもしれないからです。
5. まとめ
日本の少子化について、FACTFULLNESSという本を元に考察してみました。
・日本で少子化が話題になっている。合計特殊出生率が下がり続けているので話題になる理由は理解するが、今さらという気もする。
・FACTFULLNESSという本を読めば日本で少子化が進む理由が分かる。その理由とは避妊の技術、教育、そして所得である。
・今の日本に本書を当てはめると、日本の所得レベルは高く、少子化が進むのは当然だと言える。
・「少子化が起こるのはなぜか」よりも「他の先進国に比べ、日本で少子化が進んでいるのはなぜか」を問いにした方がよい。
最後までお読みいただきありがとうございました!