msgblog’s diary

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耳にタコができる「人件費削減」

今週のお題「マイ流行語」

私は世の中の流行り物に疎いですが、会社では色々な言葉が流行りました。品質、安全、コンプライアンス……。そんな中、今年一番印象に残ったのは「人件費削減」だったので、その言葉について書きます。

1. 人件費削減のための調査
私にとって今年一番の流行語は「人件費削減」です。品質、安全、コンプライアンスなど、会社ではいろいろな専門用語が飛び交いますが、今年特に印象に残ったのはこの言葉でした。

ある日、会社から業務時間の調査を求められました。一月にどんな仕事をどれだけの時間使っているか申告しなさい、と本社から問い合わせがあったのでした。

背景として、工場の人件費を減らさないと国際競争力がなくなる恐れがあるのだそうです。私は工場の従事者の一人ですが、今年に入ってから工場の人件費の話は耳にタコができるほど聞かされています。

そうは言っても、工場で人件費削減は難しいです。働いている人は高卒ばかりです。私は売上への貢献が直接的にはない間接部門の所属ですが、今でもぎりぎりの人員で仕事をしており、むしろ人を増やしてほしいくらいです。

本当に人件費がかかっているのはむしろ本社の方です。本社は大卒、管理職が多いです。工場の従事者はやらなければならない仕事をしていますが、本社の社員は仕事を作り出すことが仕事になっている気がします。

2. これまでの会社の流れ
私の会社のこれまでを振りかえってみると、「人件費削減」のキーワードに関わるものばかりです。下記に事例を2つ挙げます。

(1) 残業するな命令
これは同一部内で私くらいにしか出されていなかったであろう、残業をしてはいけないという命令です。実際には顧客関連のことなど、どうしてもやむを得ないものはしていいことになっていましたが、それ以外は定時で帰る決まりが一時期ありました。当時は大卒従事者といえば私くらいであり、それ以外は管理職ばかりでした。そのため、余計な人件費を使いたくなかった、ということなのかもしれません。

(2) 据え置きの給料
これは皆さんも経験があるかもしれませんが、給料が5~10年ほどの間、ほとんど上がりませんでした。その間、会社の業績が赤字と黒字を行ったり来たりしているなら疑問は感じなかったでしょう。しかし、その間も概ね黒字でした。

ところが、今年度になって急にぐんと給料が上がりました。そのことを聞かされたのは結構早い時期だったので喜びましたが、その後、他の大手の会社も同じように上がっていることを知りました。賃上げの理由は一般的には人材確保とか物価高の対策と言われているようです。経営陣も物価高でようやく重い腰を上げたということですが、人件費を抑えるため、ぎりぎりまで切り詰めているのを実感します。

https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2023/05/kokunai_03.html

3. 「デフレの正体」で分かる正しい付加価値
最近、「デフレの正体」という本を読んでいます。本書では、「経済を動かしているのは、景気の波ではなく人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の存在だ」とされ、デフレが起こる仕組みを教えてくれます。

藻谷浩介 デフレの正体 ――経済は「人口の波」で動く 角川書店 2010

本書によると、労働生産性は付加価値額を労働者数で割ったものです。労働生産性を上げるには①付加価値を上げる、②労働者数を減らす、の二択なのですが、経営者は安易に②に走りがちです。

人件費を減らして労働生産性を上げても、付加価値は下がってしまうそうです。なぜかというと、付加価値の多くが人件費だからです。付加価値が下がるということは商品のブランド価値が減ってしまうということです。また、付加価値には地元に落ちた費用が含まれます。すると、会社単位では労働生産性が上がっても、地元にはお金が落ちず、地域経済が回らなくなってしまいます。

逆にブランド価値を上げて成功している事例の一つが、先日記事で触れた旭酒造の「獺祭」ですね。今の日本では生産年齢人口に陰りが見えており、薄利多売では利益を上げにくいです。一方、獺祭は高価ですが高くても買うだけのブランド価値があるのですね。

4. まとめ
会社で人件費削減の話がよく出てきており、これが私にとっての流行語です。これまでも会社は残業、給料などで人件費削減に余念がありません。人件費の削減は同時に付加価値の低減を意味しており、長い目ではブランド価値を上げる戦略も必要です。

いかがでしたか。皆さんの今年のマイ流行語は何ですか?お読みいただきありがとうございました!

StartupStockPhotosによるPixabayからの画像